精油を直接お風呂に入れてはいけません
アロマバスを楽しむための注意点
また一段階、寒くなりましたね。
夏場はシャワーで済ませていた方もそろそろ湯船を沸かすのでは?
お好きな香りでアロマバスを楽しむ機会も増えてくるかも?
そこでひとつ、大事なことが。
タイトルにある通りですが…
精油を直接お風呂に入れてはいけません。
今回は少し長くなりますが…アロマを楽しむ上でとても大切なお話のひとつです。
意外と曖昧なアロマバスの知識
今はネット検索すれば山ほど情報が手に入ります。
精油の使い方についても然り。
以前に比べて減ったようですが、今でもたまにお湯に直接精油を入れてしっかりかき混ぜれば大丈夫、とか、足浴、手浴などの部分浴程度だったら大丈夫、とか見かけますが…
私としては、おすすめ出来ません。
精油は脂溶性という性質で、油にはよく混ざりますが水には溶けません。
どれだけ早く、どれだけたくさんかき混ぜたとしても、お湯に溶けこむことはありません。
お風呂に入るときって当たり前ですが裸になりますよね?
精油が皮膚に直接付着するだけでも刺激なのに、デリケートゾーンや口、眼などの粘膜に触れてしまったら…??
刺激どころか痛みになります。
失明やアレルギー感作など、それ以上の不安、危険も。
よって、“乳化させる“工程が必要になります。
お料理をされる方はパスタのソース作りを思い浮かべてください。
オイルに茹で汁を入れてガーッとかき混ぜるアレ。
白く濁ってとろりとした状態まで持っていきますよね。あれが乳化です。
さて、この混じり合わない油分と水分を乳化させるためには、“つなぎ“となる材料が必要になります。
それが“乳化剤”と呼ばれるものです。
乳化剤、身近なもので実験してみました
アロマバスにおける乳化剤には、様々な素材がありますが
よく耳にするもの、身近にあるものを使って簡単にですが試してみました。
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〔方法〕
7種類の素材に精油を1、2滴垂らし、その後ぬるま湯を入れかき混ぜます。
素材はどれも大体10ml、精油は色が分かりやすいリトセアを使用しました。
7種類の素材…
無水エタノール、日本酒(度数15)、牛乳(成分無調整)、重曹、ブラックソルト、植物油(マカダミアナッツ油)、ケンソーバスオイル
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驚くほど写真が下手で申し訳ありませんが…
まずは、無水エタノール、日本酒(度数15)、牛乳(成分無調整)です。
やはり、あらゆるクラフトのベースに選ばれるだけあって、無水エタノールはしっかり混ざっていますね。
牛乳が思ったより分離しています。クリームパスタのソースみたい。
これらとぬるま湯を合わせかき混ぜると…
無水エタノールはきれいに溶けています。
牛乳も溶けたように見えますが、フチに精油溜まりがみられますね…
次はドライなグループ。重曹とブラックソルトです。
まぁ当然ですが、混ざってないです。
ではぬるま湯と合わせてみましょう。
重曹は最初にダマになったものが上手く溶けず、分離しています。
ブラックソルトは…すいません、ぬるま湯に対してソルトの量が多かったですね。
ちょっと分かりにくいですが、わりと溶けていました。
最後は植物油(マカダミアナッツ油)、バスオイル(入浴時に精油を乳化させるための専用の素材)です
どちらもよく溶けています。
ぬるま湯と合わせると…
マカダミアナッツ油は牛乳の時のようにフチに若干溜まってますね。
バスオイルは一瞬で白濁しました。さすが専用素材ですね、すぐ乳化されました。
ついでにぬるま湯に直接垂らした状態のものも。
これまでみてきたどの写真よりもはっきり分離していますね。
植物油が思ったより乳化されないんだなぁと思ったのですが…
排水後の容器を見てみたら、植物油はしっかり混ざり合った液体が残っていました。
ぬるま湯のみの場合と比べていただくと分かりやすいかと思います。
(ぬるま湯のみの場合は水分油分の分離した液体が残っていました。)
アロマバス、乳化剤をひとつ持つとしたら
さて、如何でしょう。
やっぱり専用基材であるバスオイルを使うのが一番良い結果でした。
しかし、汎用性を考えると無水エタノール、植物油でも良さそうですね。
ソルトもまぁまぁ良さそうですが、AEAJによると一旦無水エタノールに精油を溶かしてから、それをソルトに混ぜる…を推奨しています。
いずれにせよ、精油を一旦何かしらの素材に滴下させるというステップは「おっと、うっかり入れすぎちゃった!」なんてトラブルも避けられるので、ぜひやった方が良いと思います。
正しく使って安全に。バスタイムを楽しんでくださいね。
maco